東日本大震災下で、国論は震災復興一色という状況のなか、市議会議員選挙が行われました。選挙の先送りを主張した政党もありましたが、統一地方選挙は予定通り行われました。このような異常事態の中で行われた選挙は、はじめてではないでしょうか。そして、この国難に直面している時こそ、民主主義の根幹であり国民の生活の基本とも言える「統一地方選挙」を冷静に粛々と行いえたことは、日本社会の成熟度を世界に示すことができたのではないか、このことも私たちは、少し誇りにしていいのでは、と思います。

　さて私は、今回選挙で4期目の当選を果たすことができました。ご支援をいただきました方々には心から御礼申し上げます。私はこれまで通算5回の選挙をくぐってきましたが、その経験則のなかで、今回ほど精神的厳しさに直面したことはありませんでした。そしてそれは、選挙の結果にも如実に現れ、前回票13,470票から今回は投票率が約７％ダウンしたとはいえ6,805票とほぼ半減しました。
　これまでとどこがどう違うのかといえば①国政における政権交代で、民主党が政権政党として国政の矢面にたったこと②批判から策定へと立ち位置が攻守交替した最中、初めての地方選挙であったこと③福岡市で言えば、前回の与党選挙から反転して野党という立ち位置で選挙に臨んだことが挙げられます。くわえて私自身の問題でいうと、前回の選挙の残影を一切消した上で、①②③の危機感が不徹底たったことです。

　私は今回、選挙前段で市政報告会を48ヶ所、約850人の方々に参加頂いて行いました。報告会では、それぞれの地域の問題や課題を聞きとって私自身がテーマとして提案してきた「住民自治活動の支援と市議会の大改革」について政策提案をしてきました。いずれの地域でも有意義な意見交換ができたと自負しています。選挙期間中の個人演説会も29ヶ所、約940人の方々においでいただきました。通算すると、延べで約1,300人の方々に直接訴えることができました。これまでにない取り組みを組み立てた思いで充実感を持っていましたが、終盤まで危機感にあふれる選挙活動とはなりませんでした。
　また、選挙後冷静に振り返ってみると、過去16年間支援を頂いてきた方々に直接お会いしてお願いできた人は、今回の延べ数1,300人からさほど広がってなかったことがわかりました。そしてその対策が不十分であったことが苦戦のもう一つの要因であると思います。

　福岡市のような都市型の市会議員選挙では、その時々の社会情勢と関わりなく展開することは不可能かもしれません。しかし、選挙の大前提である「個々の有権者とどれだけ向き合えているかが趨勢の決定要因である」という大原則をもう一度肝に据えなければならないと反省しています。ここにもう一度立ち返ることが私の選挙の総括です。これから任期中常にこのことを念頭において「住民自治活動の支援と市議会の大改革」に挑んでいきます。